【書評】退職代行「辞める」を許さない職場の真実

今回は『退職代行「辞める」を許さない職場の真実』をレビューします。
著者は弁護士の小澤亜季子さんです。

著者の実の弟さんが仕事が原因で突然死し、その死の直前に
「仕事 辞めたい」「仕事 辞め方」というキーワードで
ネット検索していたのです。

弟の死を止められなかった重く苦しい経験があり、
退職代行サービスに関心を持ったとのことです。

『辞めないことより、生き続けることが大事』
と、著者は考えていて、ご自身も退職代行業務を行っています。
だからこそ、退職代行サービスの実態を詳しく知っているのです。

「退職100%は本当か?」
「退職に失敗した例はないのか?」

退職代行サービスに興味がある方は、このような疑問を持たれているかもしれません。

退職代行サービスを提供する業者の公式サイトには、
良い面しか記載されていませんので、なかなか実態がつかめません。

本書は退職代行の実態について描かれているので、これから利用を考えている方におススメできます。

退職代行について、5章に分けて解説されていますので、
各章を紹介しながらレビューしていきたいと思います。

1章 「辞めます」が言えない人々

退職することを自分で伝えずに、業者に任せる人はどういう人なのか。

「無責任な若者」というイメージを持たれているかもしれませんが、
実際には全くの正反対で、真面目で誠実な人が多いです。

本当に無責任な人間ならば、「退職します」など言わずに
そのまま黙ってバックレてしまうからです。

著者自身が依頼者と接した経験が記されているので、
「辞めます」が言えない人々の特徴を深く知ることが出来ます。

第1章では、退職代行サービスを利用する人の性別や年齢層、
勤続年数といったデータが示されていますので、
イメージと実態が乖離していることに気が付きます。

2章 退職代行サービスは甘えか

「いくら真面目で誠実な人でも、退職することくらい自分で言えないのか?」

このような考えを持たれている方がいるかと思いますが、
退職代行を利用する人たちが置かれている状況を知れば、
その考えが誤っていることに気が付きます。

退職代行を利用する人たちの悩みには、
ライトな悩みとヘビーな悩みがあります。

ライトな悩みには

  • めんどくさい
  • 周囲の人に気を使いすぎている

このようなライトな悩みに関しては、
「自分で退職することを
伝えたほうがいいのではないか」という意見も理解できます。

しかし、ヘビーな悩みには

  • 過去の仕事のミスを訴えてやると脅されてしまった
  • 物を投げつけられた、暴力を振るわれた
  • メンタル不全で退職することを伝えられない
  • 退職届を受け取ってもらえない

このように、自分の力だけではどうにもならない問題があります。

これらの事例を読んでみれば、退職代行サービスを利用することは
全く甘えではなく、むしろ、利用者たちの心を追い込んでいる背景に、
最大の原因があるということが分かります。

つまり、本書を読めば退職代行サービスの実態だけでなく、
ブラック企業の実態も知ることが出来るということです。

また、退職代行サービスが広まることのメリットが、
自力で退職できない利用者以外にもあることも記されています。

退職代行が増加することで、ブラック企業は人手不足になり、淘汰され、
労働環境が改善されるという著者の意見は非常に興味深いです。

3章 "辞める"のリアル

第3章では退職できない具体的な事例が記されています。

著者が実際に取り扱った案件に基づいて書かれているので、内容は非常にリアルです。
退職代行を行う著者と依頼者とのやり取りはもちろんのこと、
著者と会社側とのやり取りも記されています。

案外あっさり手続きが終わったというケースもありますし、
パワハラが酷く、本当にこんなろくでもない会社があるのかと呆れてしまうケースもありました。

後任者に仕事の引継ぎをしなければならない、
でも、会社にはもう行きたくない。上司と顔を合わせたくない。

このような問題を上手く乗り越えたケースも記されています。

他にも、

  • 転職直後の退職や内定辞退
  • 有給休暇の取得方法
  • 残業代や立替金、傷病手当金の受給
  • 離職票等手続き書類の問題
  • 失業保険の取得
  • 損が気賠償を請求されるケース

このような問題についても詳しく書かれているので、
お悩みの方は本書を手に取って読んでみてください。

第4章 退職代行を誰に頼むか

私はこのブログでいくつかの退職代行を行う業者と提携し、記事を書き、
紹介料をいただくという、いわゆるアフィリエイトを行っています。

その中には非弁業者も多く、「弁護士じゃなくて大丈夫なの?」
という不安を抱かれている方もいるはずです。

本書の著者は弁護士であることもあってか、非弁業者に対して
あまり良い印象を持っていないように見受けられました。

確かに退職代行を非弁業者に依頼し、上手くいかなかったケースがあるので、
批判的な意見があるのは理解できます。

しかし、私が調べた限りは非弁業者の退職代行サービスを利用して
失敗したとか不満だったという声をほとんど聞いたことはありません。

ほぼ全ての方が満足したと回答されていますし、
ツイッターなどでも良い口コミが多く、悪い評判はほとんど見たことありません。

弁護士資格がないと出来ないことは何かを確認しましょう。

  • 有給取得の交渉
  • 給与の未払いへの対応
  • 退職金の請求
  • 未払いの残業代の請求
  • 損害賠償請求交渉

退職する際にこのような問題を抱えているのであれば、
非弁業者ではなく、弁護士が行う退職代行の利用を検討するべきです。

非弁の退職代行サービスを提供する会社の公式サイトには、
自分たちに出来ることと出来ないことをしっかり説明している会社があります。

ただ退職するだけなら非弁かどうかはそこまで神経質にならなくてもいいと思いますが、
心配なら本書を読み、どちらにするか決めてもいいでしょう。

あわせて読みたい
▶他の退職代行サービスに関する記事はこちらから読めます。

第5章 幸せになる生き方

第5章では、「人生の目的」「幸せな生き方」「会社の存在意義」
などについて著者の考えが述べられています。

人は何のために生まれて、何のために生きていくのか。

このような悩みを抱えているのであれば、
5章の内容はあなたにとって有意義なものになると思います。

ちなみに私は退職代行サービスを利用したことはありません。
というより、働いた経験がほとんどないのです。

家庭内には毒親がいて、通院していた精神科にはヤブ医者がいる。
しかも、その環境から抜け出すことが出来ない状態でした。

それが私の精神疾患をより一層悪化させ、現代の医学の力では
治せない状態にまで陥ってしまいました。

こうやってブログの仕事が出来る状態までは回復はしていますが、
まだまだ寛解(完治)には至っていません。

こういう経験があるからこそ、ストレスが溜まる、苦痛を感じる環境から
逃げ出すことは全く恥ずかしいことではないし、誰かの力を借りることも
全くおかしいことではなく、むしろ心と体が破壊される前に新しい環境で
生きていくことが大切だと考えています。

個人的には退職代行は素晴らしいサービスだと思います。

一方、退職代行が生まれた背景には、劣悪な労働環境やセクハラ、
パワハラがあるので、手放しで褒めることはできません。

理想としては、退職したくなったら「退職します」と言って、
ごく普通に仕事が辞められる社会を作ることだと思いますが、
そこに至るまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

この記事を読んでいるあなたは退職を検討しているかもしれません。
退職代行サービスの実態が知りたいなら、本書を読んでみましょう。

自力で退職することが困難で、辛く苦しい生活を送られているかもしれません。

「辞めないことより、生き続けることが大事」

これは本書の中に出てくる言葉で、非常に大切な考えだと思います。

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