コード理論の勉強が大切だと分かっていても、面倒くさくてやらなかった経験ありませんか?
作曲や演奏は楽しいけれど勉強は楽しくないですからね。その気持ちはよく分かります。
そこで今回は効率よくコード進行パターン増やす方法を紹介します。
「本当にそんな方法あるの?」と疑問に思われた方もいると思います。
安心してください。ちょっとしたコツを知れば時間をかけずに
劇的にコード進行パターンを増やすことが出来るのです。
ずらしコード進行を習得しよう
おそらくあなたはこれまでにもコード理論を学んだことがあると思います。
そこで覚えたコード進行は一つずつずらしてみましょう。そうすると新たなコード進行が生まれるのです。
例えば、『I→VIm7→IIm7→V7』というコード進行の順番をずらしてみましょう。
VIm7から始めてみると『VIm7→IIm7→V7→I』という進行になります。
I→VIm7→IIm7→V7とVIm7→IIm7→V7→Iって、
どういう違いがあるのか分からない人もいるかもしれません。
しかし、この2つのコード進行は全く別のコード進行になっている、ということを強調してお伝えしたいです。
なぜなら、I→VIm7→IIm7→V7の場合は、Iから始まっているので、
最初に明るい印象を与えていてV7で終えているので先に続くことを想起させることが出来ます。
それに対してVIm7→IIm7→V7→Iの場合は、VIm7から始まっているので、
Iと比べれば落ち着いた雰囲気から入っていき、IIm7→V7→Iで終止感を与えるのです。
いったんフレーズが終えるということになります。
ですから、一つずらしただけなのですが、全く別の印象を与えることが出来るのです。
共通しているのはどちらも循環コードになっている点です。
I→VIm7→IIm7→V7が循環コードなのは有名ですが、VIm7→IIm7→V7→Iも繰り返し使うことができます。
※循環コードとは繰り返し使用することが出来るコード進行のことです。
もうひとつコードをずらしてみよう
I→VIm7→IIm7→V7を一つずらしてVIm7→IIm7→V7→Iを解説しましたが、
さらにもう一つずらしてみましょう。
するとIIm7→V7→I→VIm7というコード進行が出来ます。
これも立派なコード進行になっています。
これまでの2つの進行とは異なり、サブドミナントから始まります。
これだけでも前の2つとは違った印象を与えられるでしょう。
この進行も循環コードなので繰り返し使えます。
少し変化を与えるならばセカンダリードミナントをいれて、IIm7→V7→I→VI7にしてみましょう。
VI7→IIm7がセカンダリードミナントになっていますよね。
ちょっとした工夫で印象を変えることができるのです。
さらにコードをずらしてみよう
さらにIIm7→V7→I→VIm7をひとつずらしてみましょう。
するとV7→I→VIm7→IIm7という進行になります。
私が知る限りドミナントセブンコードから始めるコード進行は、ほとんどないと思います。
ですから、この進行をそのまま使うのは難しいかもしれません。
その場合は、最初にコードを一つ加えてみましょう。V7の前には多くのコードを使用することが出来ます。
IM7 IIm7 IIIm7 IVM7 VIm7の5つのコード、どれも使えますね。
V7→I→VIm7→IIm7の最初にその5つのコードを入れてみましょう。
これだけで5パターンのコード進行を増やすことが出来ますよ。
意外と知られてない!?隣に進む順次進行を覚えよう【コード進行パターン】
入れ替えコード進行を覚えよう
ずらしコード進行を覚えたら入れ替えコード進行も合わせて覚えましょう。
同じ機能同士のコードで入れ替えるということです。やったことがある人も多いと思いますけどね。
I→VIm7→IIm7→V7のIのところに同じトニックであるIIIm7を入れるということです。
するとIIIm7→VIm7→IIm7→V7という進行になります。
IIIm7→VIm7→IIm7→V7というコード進行は全て強進行になっているので、
非常に使いやすいと思いますよ。
IIm7のところに IVM7を入れることも出来ます。
今度はIIIm7→VIm7→IVM7→V7という進行になりました。
どんどんコード進行パターンが増えてきましたね。
まだまだ増えますよ。
IIIm7→VIm7→IIm7→V7の進行のときにも、セカンダリードミナントを使うことが出来ます。
IIIm7をIII7にしたり、VIm7をVI7に出来るのです。
IIm7を II7にすることも出来ますね。ダブルドミナントと呼ばれる技法です。
強進行になっているときにはセカンダリードミナントを使うチャンスです。どんどん試してみましょう。
セカンダリードミナントをたくさん使えばいい曲になるということではありませんが、
ちょっとしたスパイスになるので、ここぞというときに使ってみるといいでしょう。
トライアドとセブンスコードの違いについて
ところであなたはコード進行を作るときにそのコードをトライアドにするか、
セブンスコードにするか、ちゃんと考えていますか?
「どちらでも大して変わらないよ」このような考えを持っているのであれば、今すぐ改めましょう。
分かりやすい例としてはIIm7→V7→IのIです。IとIM7では曲の終止感に大きな違いがあります。
どちらのほうが優れているかという話ではありません。
ただし、曲が「終わったー!」という印象が強められるのは圧倒的にIなのです。
それに対してIIm7→V7→IM7の進行はIIm7→V7→Iと比べれば落ち着いた終わり方になります。
ポップスではIIm7→V7→Iの多いと思いますが、あなたの曲ではどちらが優るのかよく考えて作りましょう。
また、IIm7に関しても同様のことが言えます。
終止感ではないのですが、IIm7とIImではコードの連結に違いが出てきます。
コードの連結とは私のブログではよく出てくる言葉なのですが、
そのコードのコードトーンが次のコードのコードトーンへどのように進ませるかということです。
これによって音の響きに違いが出るのです。
多くの場合は共通音が合った場合は保留するのですが、
例えばIIm→Vの場合は保留せずにすべて下行させるのです。
特にトップノートが保留せずに動くことでサウンドに違いが出て来るのだと思います。
もちろんこれが正しいというわけではありません。保留する連結も立派な進行です。
ただし、保留した場合と全て下行させた場合では響きが異なりますので、その違いを知る必要があります。
トライアドとセブンスコードは全く別のコードですから、
どちらがその場面にふさわしいコードなのかはよく考えて使うようにしてください。
最後のひとこと
いかがでしたか?
このような感じでコード進行を手軽に増やすことが出来るのです。
今回はI→VIm7→IIm7→V7で解説しましたが、
他のコード進行でも応用できますのでどんどん試してみましょう。
IVM7→Ⅴ7→IIIm7→VIm7は王道進行と呼ばれていますが、
このコード進行もずらしてみると別の進行が生まれます。
ずらしたり、入れ替えたり、トライアドとセブンスコードを試したり、
試行錯誤をすることでコード進行パターンが劇的に増えます。
コード進行パターンが増えれば音楽性の幅が広がりますし、
グングン作曲力も高まりますので勉強しない理由なんてありませんよね。
ここでの努力があなたの将来の音楽活動の力になります。がんばりましょう。
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