ダイアトニックコードだけの進行では物足りなさが出てきて
他のコード理論も学ぶことになるのは当然のことです。
ノンダイアトニックコードは数多くありますが
今回紹介するのはサスフォー(sus4)コードです。
ドミナントセブンスコード前に使われることが多いサスフォーコード。
代理コードも豊富ですし、覚えておくコード進行幅がグッと広がります。
他のコードにはない独特な響きがするので必ず覚えましょう。
サスフォーコードとV7との違い
まずはドミナントセブンスコードとの相違音を確認しましょう。
サスフォーコードとドミナントセブンスコードの違いは
1音のみですから覚えやすいですね。
ドミナントセブンスコードのM3(長3度)を短2度高めてP4にするだけです。
サスフォーコードはドミナントセブンスコードの直前で使われることが一般的です。
つまりV7sus4→V7→Iという進行が多いということです。
セブンスコードだけでなくトライアドでも使われることもあります。
サスフォーらしい響きを強調したいのであれば
トップノートをP4にするといいです。
トップノートとはそのコードの一番高い音のことで
他の音よりも目立つ特性があります。
トップノートと最低音であるベース音に挟まれた音のことを内声といいます。
内声の音は埋もれて聞こえづらい特性があるので
目立たせたくない響きは内声にするのがいいでしょう。
実際に聴き比べてみましょう。
XJAPANの『ENDLESS RAIN』で使われているので
機会があれば聴いてみましょう。
イントロの最後、Aメロの直前でVsus4→Vで使われ
そのままAメロのIにつながっています。シンプルな使い方だと思います。
コード進行を作る際にはこのトップノートを意識することが大切です。
Gsus4 – Gという進行ならばトップノートが
ド→シという動きになります。
このままでもいいのですが少し工夫して別のコード進行を作ってみましょう
Gsus4 – Gの後にGadd9 – Gを加えてみましょう。
するとド→シ→ラ→シという流れが生まれます。
Gadd9はM3が省略されているためGadd9と呼べないかもしれません。
実際にはM3が転位しているということだと思いますが
あまり細かいことは気にしなくていいでしょう。
それでは実際に聴いてみましょう。
Mr.Children『Everything(it'you)』
Mr.Children のEverything(it'you)のイントロでもギターで使われています。
プロの曲は参考になりますのでぜひ聴いてみてください。
※上の動画はライブ用にアレンジされています。原曲を聴くことオススメします。
美しいコード進行のコツ『トップノートの動き』で作曲レベルUP!!
サスフォーからのコード進行パターン
サスフォーコードは次にドミナントセブンスコードに進むことが多く
その次には主和音であるIに進行することが多いです。
Vs7us4 - V7 - Iという進行が多いということです。
しかし、この進行でドミナントセブンスコード(V7)を
省略することも出来るのです。
つまり、サスフォーコードからドミナントセブンスコードに進行せず
直接、主和音であるIに進むこともあるということです。
V7sus4 – Iという進行は意外性が生まれます。
この場合共通音がありますので、そこに注意してください。
特別な意図がなければ共通音は保留するのがいいでしょう。
作曲するときサスフォーコード(sus4)には何のスケールを使えばいいの?
サスフォーコードの代理コード
ここまでサスフォーコードの使い方を説明してきましたが
ここからは代理コードの解説を行います。
サスフォーコードには代理コードが豊富にあります。
よく使われるのが IIm7onVです。
Key in CならばDm7onGというコードになります。
その調の主音が含まれていることが
代理コードになりうる条件になります。
Key in Cならばドが含まれているかどうかということです。
分子のコードに関してはIIm7の代わりに IVM7やIV、
そしてIVmも使えます。IIm7b5も代理コードになります。
IImは主音が含まれていないのでIImonVというコードは
サスフォーの代理コードにはなりえません。
ただし、IImonVというコードは存在するので
使ってはいけないということではありません。
下の図でサスフォーの代理コードを確認しましょう。
それではサスフォーの代理コードを使ったコード進行を
いくつか作りましたので聴いてみましょう。
サスフォーと代理コードの響きの違いを知ることが大切です。
最後のひとこと
今回はサスフォーコードの使い方と代理コードの解説を
音源と楽譜を使いながら解説しました。
ダイアトニックコードだけで曲を作ることは出来ますが
音楽性の幅を広げるためにはもっと多くのコードを学ぶ必要があります。
コードそのものをただ暗記するのではなく
そのコードの使い方やトップノートの動きなどにも気を使い
美しい響きを作り上げるという意識が大切です。
そのためにも理論を学んで終わりにするのではなく
自分で実践して試行錯誤を繰り返すことが重要なのです。
サスフォーコードもその後に続くコードもいくつかありますし
代理コードも豊富にありますので使いこなすことが出来れば
間違いなくあなたの音楽活動を行う上での大きな力になります。
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