ディミニッシュ・コードの簡単な覚え方と高度な使い方を学ぼう

ディミニッシュ・コードを覚えてマンネリ化したコード進行から抜け出しませんか?

いつも同じようなコード進行では、ワンパターンな曲しか作れなくなります。
新たなコード理論を覚えることは必須です。

セカンダリードミナントやサブドミナントマイナーなどは覚えたけど、
ディミニッシュ・コードは「難しそう」という理由で避けている人もいるかもしれません。

そこで今回は一見難しそうに見えるディミニッシュコードの
簡単な覚え方とよく使われるコード進行を解説していきます。

記事の後半では、ディミニッシュ・コードを発展させて高度なコード理論も解説していますので、
ぜひ、最後まで読んでみてください。

ディミニッシュ・コードの基礎知識

まずはディミニッシュ・コードの構成を説明します。

初心者の方には最初は少し難しく感じるかもしれませんが、
理解できなくても大丈夫ですから気にせず読み進めてください。

『R – m3 – dim5 – dim7』ルート、マイナーサード、
ディミニッシュフィフス、ディミニッシュセブンスという構成になっています。
日本語だと根音、短3度、減5度、減7度です。
コードのコードトーン(構成音)は口に出して覚えるのがおすすめです。

他のコードと構成を比較してみましょう。

マイナーセブンスコードの5度の音を半音下げたコードが
マイナーセブンフラットファイブコードであり、
このコードはハーフディミニッシュコードと呼ばれることもあります。

そしてマイナーセブンフラットファイブコードの7番目の音(短7度)を
半音下げるとディミニッシュコードになります。

この覚え方でもいいのですが、もっと分かりやすい覚え方があるので紹介しましょう。

※Cdim7の構成をド・ミ♭・♭・ラで教えている人や理論書がありますが、
これは厳密には誤りです。ラではなくシのが正確な表記です。

あわせて読みたい
ハーフディミニッシュコードの意外な使い方【作曲&コード進行】

 

ディミニッシュ・コードとV7の構成は似ている

覚えるのが大変そうなディミニッシュ・コードですが、
実はドミナントセブンスコードと共通音が多いのです。

4音のうち3音が共通しているのです。
この特性を生かせば誰でも簡単に覚えることが出来ますよ。具体的に解説します。

ディミニッシュ・コードのルートを半音(増1度)下げた音を
ルートとしたドミナントセブンスコードを作ります。
そして、そのドミナントセブンスコードのルートを
半音(増1度)上げたコードがディミニッシュ・コードになります。

例えばC#dim7の構成を知りたければ、C#の半音下の音、
すなわちCをルートとしたドミナントセブンスコード、C7を作り出すのです。
C7のコードトーンはド・ミ・ソ・シ♭です。
そしてルート音のドを半音高めてド#にすれば出来上がりです。

これで分かるように全てのドミナントセブンスコードを覚えてしまえば、
全てのディミニッシュコードも覚えたことになります。

ディミニッシュ・コードを使ったコード進行

ディミニッシュ・コードを使ったコード進行いくつかありますが、
その中でもパッシングディミニッシュという使い方が一般的です。
パッシングは、挟むという意味で2つのコードの間に使われ、経過和音と呼ばれています。

例えば

・C → C#dim → Dm
・CM7 → C#dim7 → Dm7

といった形で使われます。

この際にコードの連結には気を払いましょう。ディミニッシュコードを使った進行の譜面を載せておきます。

これが正しい使い方だというつもりはありませんが、まずこの使い方を覚えるのがいいでしょう。

2つのコードに挟まれる形ではなく、後続のコードに対してのみ使われることがあります。
E♭dim7 → Dm7のような進行のことです。
半音の流れが出来ますので、上手に使えれば楽曲のクオリティもあがりますよ。

ディミニッシュコードはアルペジオ(分散和音)でも、
面白い響きがしますので試してみるといいでしょう。

ディミニッシュ・コードを発展させる方法

ここからは、ディミニッシュ・コードを使ったコード進行を
さらに発展させたパターンを紹介していきます。

少し小難しい内容になっていますが、習得すると
コード進行パターンが増えますのでしっかり学びましょう。

ディミニッシュ・コードは2つのトライトーンを含んでいます。

トライトーンとはドミナントセブンスコードの不安定さを生み出す
増4度(減5度)のインターバルのことです。

ドミナントセブンスコードのM3(長3度)とm7(長7度)の
インターバルが増4度(減5度)でトライトーンになっていると言うことです。

ディミニッシュコードが2つのトライトーンを含んでいるということは、
そのトライトーンを含んだドミナントセブンスコードの
代理コードになれるという解釈ができます。

下の譜面を見てみましょう。

C#dim7には2つのトライトーンを含んでいます。

1つ目は『ミとシb』です。

『ミとシb』を含んだドミナントセブンスコードは2つあります。

ひとつはC7でもうひとつはF#7です。

異名同音が含まれているので分かりづらいと思いますが
F#7の『ラ#とシb』が異名同音になっているのです。

よって、C#dim7はC7とF#7の代理コードになっているということです。
異論があるかもしれませんが、今回は広く解釈して話を進めます。

2つ目は『ド#とソ』です。

『ド#とソ』を含んだドミナントセブンスコードも2つあります。

ひとつはA7でもうひとつはEb7です。

こちらも、異名同音が含まれているので分かりづらいですね。
Eb7の『レbとド#』が異名同音になっているのです。

よって、C#dim7はA7とEb7の代理コードになっているということです。

ディミニッシュ・コード発展させたコード進行

C7はKey in FとFmのドミナント(V7)になっています。

C7はFやFmに進行できますので、C7の代理コードとして
C#dim7を使えば、C#dim7からFやFmに進行できるということです。

同様のことが先ほど挙げた代理コードにもいえます。
以下の図で可能な進行を確認しましょう。

F#7はG♭7に置き換えられます。
(G♭7→C♭またはC♭mの進行になります)

今回はC#dim7を基準に代理コードの解説を行いました。
他のディミッシュコードのトライトーンと代理コードを調べてみてください。

ディミニッシュを使ったコード進行の連結

基本は通常のドミナントモーションと同じ考えでいいと思います。

導音は主音へ、第7音は2度下行の連結はディミニッシュコードでも
同じですから、そのように進ませるといいでしょう。

その他に気をつける点としては
増1度の関係は連結させるということです。

具体的にはC#dim7→Fmの際にはド→ド#という風に連結させるのです。


このように連結させなければいけないというわけではありませんが
いい加減な連結ではいいかげんなサウンドになってしまいます。

音楽は非常に繊細ですから、どのように連結させると
最も美しくなるのかをよく考えるようにしてください。


いかがでしたか?

今回は、初心者向けの内容ではありませんでしたが、
作曲を行う上で必要なコード理論の知識を深める良い内容だったと思います。

一回読んだだけだと分からないこともあったと思いますので
繰り返し読み、そして実践してみてください。

実際に自分で使ってみないと分からないことも多々ありますからね。

小難しそうなイメージがあったと思いますが、ドミナントセブンスコードの構成さえ
覚えてしまえばディミニッシュコードも覚えられます。

ディミニッシュコードは単独で聴くと少し不気味な印象を与えるかもしれませんが、
経過和音として2つのコードの間でさらっと使われると綺麗な響きになります。
コード進行の幅が広がると楽曲のクオリティが上がることは間違いありません。

そうすると作曲がますます楽しくなりますよ。
ぜひ、ここで学んだことをあなたの作曲活動に生かしてみてください。

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