作曲を行っているときに
「Bメロが出来た。でも、次のサビに上手くつながらないなぁ」
このような問題に出くわした経験ありませんか?
Bメロとサビに限らず、イントロからAメロがつながらないとかよくある悩みではないでしょうか?
特にJPOPの楽曲というのはブロックのつながりで成り立っています。
イントロ→A→B→サビ→間奏→といった感じに進むということです。
このブロックとブロックが上手くつながらないということがあると思います。
今回はこの問題を解決するテクニックを紹介していきます。
メロディーには継続形と完結形がある
メロディーには継続形と完結形の2つがあります。
これらの言葉は私の造語ですので一般に使われている言葉ではありません。
継続形は例えばDm7 – G7で終わり、次の展開につなげることで、
完結形はDm7 - G7 – Cでいったん終わらせて次の展開に進むことです。
どちらが優れているかとかそういう問題ではありません。
両方の特性を理解し、自分の作曲活動に生かしていくということです。
あなたが作った曲、あるいは今作っている曲でも同じような問題を抱えているのであれば、
旋律の形を反対にしてみてはいかがでしょうか?
つまりAメロが継続形でBメロに上手くつながらないのであれば、
Aメロの最後のフレーズを少し変えて完結形にしてみると言うことです。
私はこれで上手くいった経験が何度もありますので、
あなたも同様の問題を抱えたときに試してみてください。
Bメロとサビの関係性
継続形と完結形のことは大体理解していただいたと思います。
次はこの知識を生かしてサビのクオリティを上げる解説を行います。
サビというのはその曲の一番良いところを聴かせたい部分ですので、
どうすれば盛り上がるのかをよく考える必要があります。
サビを盛り上げるためには優れたメロディーを作るだけでは不十分です。
Bメロの終わりのフレーズが重要な鍵を握っているのです。
個人的な意見ではありますが、アップテンポの曲ならばBメロは継続形をおすすめしたいです。
なぜならば、Bメロを完結形にしてしまうと流れがいったん途絶えてしまうので、
勢いよくサビに入っていけないからです。
ですから、Bメロを継続形にしてエネルギーを溜め込んで、
サビに入った瞬間に爆発させるほうがいいと思います。
ヒット曲からメロディーの関係性を学ぶ
それでは実際にプロが作った曲を簡単な解説付きで紹介していきます。
これらの曲を聴いて学びあなたの作曲活動に生かしてみてください。
ますはBメロが継続形になっている曲です。
星野源『恋』
星野源の『恋』のBメロは継続形です。この曲のBメロを完結形にしてしまうと流れが途絶えるので、
あまりいい効果は得られないと思います。
スピッツ『ロビンソン』
スピッツの『ロビンソン』は非常に綺麗にサビに入っています。
継続形にするだけでなくキメフレーズを使い、力を溜めて、サビに入りエネルギーが爆発しています。
サビ前のコード進行も転調させているので参考になりますよ。
※キメフレーズとはほとんど(全て)のパートが同じリズムで演奏することです。
ここからはBメロが完結形になっている曲を紹介します。
米津玄師『Lemon 』
米津玄師の『Lemon 』はBメロ終わりが完結形になっています。
この曲は完結形の方がいいかもしれませんね。ブレイクも使われているので
サビ頭のボーカルの印象を強められています。
※ブレイクとはほとんど(全て)のパートを休ませるテクニックです。
この曲ではブレイクを入れて、ボーカルパートだけを目立たせています。
この曲の詳しい楽曲分析は▼の記事に掲載されています。
藤井フミヤ『TRUE LOVE』
藤井フミヤの『TRUE LOVE』は1993年にフジテレビで放送された
「あすなろ白書」の主題歌として使われました。
平均視聴率27%の高視聴率ドラマということもあり、
主題歌である『TRUE LOVE』も大ヒットしました。
この曲もBメロ終わりが完結形になっています。一旦フレーズが終えて、
仕切り直してサビに入っていきます。
Bメロからサビの関係だけを見ると継続形のほうが多いですが、
完結形のメロディーも悪くはありませんので、両方を使いこなせるようにしましょう。
最後のひとこと
今回はメロディーの継続形と完結形について解説しました。
今回のテーマは、私が作曲を始めたときに抱えていた悩みです。
「サビだけ出来た」とか「Aメロだけ出来た」という経験は珍しいことではありませんでした。
その悩みを克服するためにどうすればいいのかを考えて編み出したのが
「メロディーの継続形と完結形」です。あなたの作曲活動の参考になれば幸いです。
音楽というのは流れがあるのでサビだけいいメロディーが出来てもあまり意味がありません。
ですから、前と後のメロディーのつながりが特に重要になります。
曲が始まってから終わるまでの全ての音に関連があるということを意識しながら、
あなたも作曲を行ってみてください。
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