【編曲初心者講座】エレキもアコギもギターの特徴を覚えよう

エレキギターとアコースティックギターは主に6本の弦で構成されている弦楽器です。
アコースティックギターはアコギと略されることがあります。

5つ、6つの音をかき鳴らすと広い音域をカバーすることができますので
様々な音楽で使用されています。

エレキギターもアコースティックギターも共通点が多いので
今回はギターという楽器の構造について解説していきます。

ギターという楽器の構造を基礎から学ぼう

ギターのボイシングについて知らない人は多いと思います。

ギターを弾かない編曲家はもちろんですが
普段ギターを弾いている人も自分が鳴らしているコードを
しっかり理解しているでしょうか?

具体的に言えば、自分が押さえているコードの3弦が何の音か分かりますか。

6弦ルートの場合6つの音が鳴ることになります。

それではトライアドのFを鳴らしたときにそのコードのボイシングを楽譜に表せますか?

恐らく分からない人の方が多いと思います。

メジャートライアドは3つの音で構成されたコードですから
R(ルート)とM3(長3度)とP5(完全5度)の3つで構成されています。

Fならファ・ラ・ドの3音になります。

6弦ルートで弾いた場合、6つの音が鳴るとすると
ファ・ラ・ドがそれぞれ2音ずつ鳴ると思っていませんか?

しかし、これが大きな罠なんです!

実際にはRが3音でM3が1音、そしてP5が2音という構成になっているのです。

ギターの構造を知らない人がDTMでギターを打ち込むときに
実際には演奏出来ないボイジングにしてしまったりするのです。

ギタリストの方も正確に理解している人は少ないのではないでしょうか?
ですからこの講座でしっかりギターの音の重ね方を学びましょう。

ギターという楽器の特性を解説していきます。

実音は1オクターブ下になっていてそのことは暗黙の了解になっています。

DTMで打ち込む際には注意が必要です。

上の譜面をそのまま打ち込んではいけません。
その譜面の1オクターブ下で打ち込まないとギターのサウンドにはなりません。

バンドスコアなど楽譜を見てそのまま打ち込むのもダメですよ。
必ず1オクターブ下で打ち込んでください。

ギターのソフト音源によっては最初からそのことを考慮されている場合もありますので
譜面通り打ち込んでも問題ない場合があります。確認してみましょう。

開放弦は6弦からEADGBEという並びになっています。
ミラレソシミと口に出して覚えてしまうのがいいでしょう。

弦は完全4度ずつ上行する形でチューニングしてあります。

ただし、3弦と2弦のインターバルだけは長3度になっているので注意が必要です。
つまり、G(ソ)とB(シ)のインターバルは長3度ということです。

平均律は12の音で成り立っているので
開放弦がミラレソシミならば12フレットの並びもミラレソシミになっています。
当然1オクターブ上のミラレソシミになっています。

他の音でも同じことが言えます。

例えば5弦の3フレットがドならば5弦の15フレットは
1オクターブ上のドになっているということです。

その音のフレットに12フレットを足すか引くかすれば
オクターブ関係になっている音をすぐに見つけることが出来ます。

こういう構造を覚えれば今自分が何の音を弾いているか
少しは理解が深まるのではないでしょうか。

本格的にギターのボイシングを学ぼう

 

ボイシングに関してはエレキもアコギも変わりはありません。

弦の押さえ方にはローコードとハイコードの2種類あって
ハイコードの中にも5弦ルートと6弦ルートがあります。

ローコードは開放弦を生かした奏法で
ハイコードは人差し指で5、6本の弦をすべて押さえて
残りの指はコードに合わせて弦を押さえます。

開放弦を弾いたほうが音の響きが良いです

なぜなら指で弦を押さえた場合は指の肉が弦に食い込み
弦が上手く振動しないことがあるのです。

そのため、ハイコードより開放弦を多く含むローコードが好まれるということです。

ピックで弦を弾いて演奏するのですが
弾き方にはダウンピッキングとアップピッキングの2種類があります。

ダウンとアップを交互に弾くのをオルタネイトピッキングと呼ばれています。
オルタネイトピッキングでの演奏が最も多いといえます。

コードを鳴らす奏法にはダウンストロークとアップストロークの2パターンあります。
この2つの区別はきちんとしておいたほうがいいでしょう。

ダウンストロークは6弦~1弦、つまり低い音から高い音の順でなります。
アップストロークはその反対で1弦から6弦、高い音から低い音の順でなります。

ピアノと違ってコードを弾いたときに全ての音が同時に鳴るのではなく
少しずれる点に気をつけてください。
※ピアノもずらして弾くことがあります。

DTMで打ち込む際には少しずらして打ち込むと
本物のギターのサウンドに近づくでしょう。

楽譜でギターのボイシングを学ぼう

ある程度ギターの構造を学びましたので
本格的にボイシングについて解説していきます。

まずは、ハイコードの音の重ね方から解説します。

ハイコードには5弦ルートと6弦ルートの2種類があります。

意味としては5弦ルートならばその5弦の音が
コードのルート音になっているということです。

5弦ルートでG7を弾いたら5弦の音がG(ソ)になっているということです。

5弦ルートは6弦をミュートするので5つの音が鳴らされます。

下の譜面はトライアドのギターのボイシングになっています。

前述しましたがギターという楽器の音の重なり方は、6弦ルートならば
Rが3音でM3が1音、そしてP5が2音という構成になっているのです。

5弦ルートと6弦ルートのいずれも低いほうからR – P5 – R – M3 – P5の順になっていて
6弦ルートはそれに1弦にRを加えます。

マイナーコードを打ち込む場合はM3をm3にすればいいです。

3度の音が一つしかないことを考えればその音を
弾き損ねてしまうとRとP5だけのサウンドになるので
空虚な響きになってしまいます。

実際にギターを弾かれる方は十分に気を付けましょう。

セブンスコードの打ち込み方

 

続いてセブンスコードの打ち込み方を解説します。
まずは下の譜面でボイシングを確認しましょう

先ほど解説したトライアドのメジャーコードからメジャーセブンスコードにするには
下から3番目のルートを半音下げて7度の音に変えればいいのです。

マイナセブンスコードにしたい場合は3度の音を半音下げればいいだけです。

こういう仕組みを覚えておけば実際にギターを弾くのにも
DTMで打ち込むときにも役に立つでしょう。

ローコードの構成は少し特殊

ここからはローコードの構成です。

ローコードのEmやAmは5弦または6弦ルートの構成と同じですので
先ほど学んだことが生かせると思います。

それに対してローコードのCやDmは
普通の構成とは異なるので気を付けてください。

ハイコードでもローコードでも基本的には3度の音は
1音しか使われないのですがローコードのCは例外です。

ローコードのCは3度の音が2音使われるのです。

またD系のコードに関しては5弦と6弦をミュートさせて
4弦ルートになります。当然4つの音が鳴ることになります。

ただし順番は先ほどとほとんど変わりません。

DmならばR – P5 – R – m3になっており
別のコードを弾くときには必要な音を変えればいいのです。

▶今までに投稿した編曲の記事はこちらから読めます。

最後のひとこと

 

いかがでしたか。

ギターのボイシングについて解説してきましたが
ローコードとハイコードの違いもあり、そんなに単純ではありませんでしたよね。

今回はよく使われるコードに限定して解説しましたが
この他にもディミニッシュコードやテンションノートが加わった
コードもありますのでまだ学習を続ける必要があります。

エレキギターもアコースティックギターも使われる頻度が高い楽器です。
よく使われる楽器だからこそ基礎を軽視してはいけません。

まずは今回解説した内容をキチンと覚えて基礎を身に付けましょう。

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