ピアノで印象的なイントロを作る方法を紹介!!【作曲&編曲講座】

イントロで使われることが多い楽器は様々あると思いますが、
今回はピアノで印象的なイントロを作るコツを紹介します。

ライブを見ればわかるように、ヒット曲の名イントロが流れた瞬間に観客が一斉に大歓声を上げます

それだけイントロには大きな力を秘めているのです。

あなたが作ったイントロを聴いた観客が大歓声を上げている想像をしてみてください。
ワクワクしますよね!

そのためにはイントロを深く研究する必要があります。
今回はプロが作ったピアノイントロを紹介しているので、
興味があればぜひ聴いて学んでみてください。

イントロで使うピアノの特徴を確認

まず、イントロで使われるピアノのフレーズの特徴を確認しましょう。
今回は以下の5つを取り上げました。

・リフ(同型フレーズ)
・オクターブ下げ
・メロディアスなフレーズ
・パラディドル
・トップノートを生かす

一つ一つの説明は後からします。

ピアノのリフでイントロを作る

リフとはリフレインのことで同じ型のフレーズを何度か繰り返します。
実際には後半部分を少し変化を加えることは珍しくありません。

リフはエレキギターで作られることが非常に多いですが
ピアノでも作ることができますよ。

作り方はエレキギターと変わらずモティーフとなるフレーズを作り、
繰り返すだけです。

「繰り返すだけです」と言われても
「それが難しいんだよ!!」
という反論が出てくると思います。

リフを作るコツとしては、ピアノに限らず様々な楽器で作られた
リフを研究するということです。

例えばロックならば、Deep Purpleディープパープル)のギタリストである
リッチーブラックモアは名リフをよく作ることで有名ですので
彼の演奏を研究してみるといいでしょう。

鬼束ちひろの『infection

ピアノでリフが作られている曲としては
鬼束ちひろのinfection があります。

曲の世界観とイントロのフレーズがバッチリ合っていて、
曲が始まるとすぐに魅了されてしまいます。

ピアノの旋律は単音ではなく6度や3度でハモらせています。
影でハープが静かにそのフレーズを支えているのもポイントです。

ストリングスが入ってくるタイミングも絶妙ですよね。
フェードインさせる形で入ってきているのも上手いです。

DTMの打ち込みでこれを再現するにはアタックタイムを調整してください。
するとこのようなサウンドを作ることが出来ます。

パーカッションの使い方も上手いですよね。
ただでさえ美しいピアノのフレーズを彩り、魅力を高めています。

非常に繊細で美しいイントロです。

編曲を学ぶ上で大切な要素がたくさん含まれていますので
何度も聴いて学びましょう。

具体的なイントロの作り方のコツを知りたい方は、
他の記事でも解説しているのでそちらもご参照ください。

ピアノのイントロをオクターブ下げる

ピアノのイントロはバラードで使われることが多いと思います。
バラードではドラマティックで壮大な世界観を演出することが大切です。

そんなときにはピアノのイントロフレーズをまず一回普通に弾いて、
その後同じフレーズを1オクターブ下げてみるといいでしょう。

そうするとドラマティックなイントロを作り上げることが出来ます。

伊藤由奈の『ENDLESS STORY 』ではそのテクニックが使われています。
2005年に公開された映画『NANA-ナナ-』の劇中歌として使用された楽曲です。

映画やドラマの主題歌や劇中歌はただ良い曲を作ればいいのではなく
その作品の世界観、イメージに合うような曲でなければなりません。
そのあたりが難しいのです。

話をイントロに戻します。

この曲のイントロがまさにオクターブ下げてドラマティックな
世界観を作り出すことに成功しています。

ピアノとストリングが絶妙に絡み合い素晴らしいイントロが
生み出されています。

繰り返しのイントロのほうでは、ストリングもピアノに合わせる形で
音域を下げて存在感を薄めています。

この曲でもパーカッションが上手く使われています。
シェイカーとタンバリンの組み合わせで曲を彩っています。

もし、あなたがバラードを作るならこの曲はイントロだけでなく、
曲の全てに学べる点がありますので研究してみてください。

ピアノでメロディアスなイントロを作る

これまで紹介したピアノイントロは同じフレーズを繰り返すものでした。
次に紹介するのは、繰り返すことなくリスナーを魅了するピアノのイントロです。

サザンオールオールスターズの『希望の轍』は
ピアノで非常にメロディアスで印象的なイントロが使われています。

比較的長めのイントロですが、長さを感じさせないほどよく出来ています。
途中の出てくる「叫び声」もよい味を出しています。

このピアノのフレーズはイントロだけでなくその後のAメロにまで続いていて、
曲を見事に彩っています。素晴らしいですね。

一青窈『ハナミズキ』

一青窈の『ハナミズキ』も綺麗なピアノイントロの曲ですね。
一部クリシェが使われ下行しているのがいいです。

イントロのピアノを聴いただけで気持ちが高まります。
素晴らしいイントロです。

あわせて読みたい
ピアノ伴奏の作り方のコツ 右手と左手の関係が大切【編曲初心者】

 

パラディドル奏法のピアノイントロ

バラディドル奏法とはドラムの奏法の一種でRLRRLRLLといったような奏法のことです。

Rは右手で叩き、Lは左手で叩くという意味です。

このパラディドル奏法をピアノに応用してイントロで使ってみるのもいいでしょう。

私が作った短い曲を楽譜と音を使いながら学びましょう。

KinKi Kidsの『硝子の少年』でも使われているので聴いてみるといいでしょう。

BUMP OF CHICKEN『Butterfly』

BUMP OF CHICKENの『Butterfly』 でも冒頭で少し使われています。

ピアノの中低音域の音を使いながら、小刻みのフレーズというのは
なんともいえないカッコよさがありますよね!

あなたも是非試してみてください。

あわせて読みたい
▶今まで投稿した編曲に関する記事はこちらから読めます。

 

トップノートを生かしたイントロ

トップノートとはそのコードの一番高い音で一番目立つ音でもあります。

このトップノートの動きを意識するだけで、シンプルなコード進行でも綺麗なイントロが作れます。

XJAPANの『ENDLESS RAIN』ではKey in Cで、一部オンコードやサスフォーも含まれていますが、
C.F.Gのスリーコードでイントロが作られています。
それにもかかわらず非常に綺麗で印象的なイントロを作り上げることに成功しています。

ストリングスで始まり徐々に世界が開けていきピアノが入ってきます。
ベースもいい感じにピアノのフレーズをサポートしてます。

「シンプル・イズ・ベスト」という言葉があるように、複雑なフレーズを作らなくても印象的なフレーズは作れるのです。

ピアノはイントロだけでなく伴奏としても使われます。

しかも様々なジャンルで使用されることを考えると、しっかりとその特徴を学んでおきたいですよね。

今回はイントロに限定して様々な奏法を用いた曲を紹介しました。

公式にアップロードされたものしか、紹介できないのは残念ですが、
今回紹介した曲はどれも優れた楽曲ですので、機会があればぜひ聴いてみてください。


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