あなたは曲を終わらせるときにどんなコード進行を使っていますか?
「終わりよければ全てよし」という言葉があるように
その作品の最後というのは非常に重要な役割があります。
もちろん理想は終わりだけでなく、イントロから
最後にいたるまでの過程のクオリティも大切です。
しかし、どんなに途中まで出来が良くても最後の締めくくりが
イマイチなフレーズだと曲の評価は低くなるといわざるを得ません。
今回はアウトロの作り方ではなく、曲の最後で使われる
コード進行について様々なパターンを紹介したいと思います。
いつもと同じように楽譜と音源を使いながら解説しますので
初心者の方でも安心して学べる内容になっています。
全部で12の音源を用意しました。
気に入ったものがあればどんどん使ってみましょう。
後半の方では一部簡単なアレンジ付きで解説していますのでお楽しみに♪
まずは基本のツーファイブワンを極める
その曲の最後やサビの最後で最も多く使われる
コード進行はツーファイブワン(IIm7→Ⅴ7→ I)だと思います。
ツーファイブワンは単純な進行のように感じるかもしれませんが
実際には結構奥が深い進行になっています。
これまで私のブログではコードの連結やトップノートの動きを
重視しているとこれまで述べてきました。
ご存知でない方は以下の記事を読んでみてください。
ツーファイブワンも例外ではなくこれらのことを
しっかり学ぶ必要があるのです。
具体的にはコード進行する際には共通音を保留するのか
保留せずに進行させるのかということと
トップノートの動きに注意するということです。
鍵盤で考えてみた場合、右手の和音を
基本形にするのか第一転回形なのか第二転回形なのか
セブンスコードならば第3転回形もありますし
音を省略する場合もあるのです。
今回は比較的よく使われる基本的な進行を解説していきます。
ツーファイブワンはトライアドとセブンスコードのどちらもよく使われます。
Dm→G→CとかDm7→G7→Cという進行ですね。
これもありますしどれかだけがトライアドとかセブンスというパターンもあります。
Dm→G7→CとかDm7→G→CM7といった進行です。
IIm7→Ⅴ7→ Iから変化をさせるならIIm7をIVM7
に変えてみるということです。
もしかしたら先にIVM7→Ⅴ7→ Iの進行を学んでかもしれませんね。
学ぶ順はどちらでもいいのですが両方使いこなせるようにしておきましょう。
Dm on Fは和声学で出てくる進行です。これも覚えておくといいでしょう。
これらのコード進行にテンションノートを加えるとまた違った響きが
得られますので一緒に覚えてしまいましょう。
ここで紹介するのはDm9→G9→CM9とFm9→Gm9→CM9です。
全てにテンションノートを入れなればいけないというわけではありません。
工夫すればもっと進行パターンを増やすことはできます。
サスフォーコード(sus4)を使った終わらせ方
曲の最後にサスフォーコードが使われることがあります。
V7sus4→Ⅴ7→ Iという進行が多いです。
Key in CならばG7sus4→G7→Cという進行になります。
トライアドでもセブンスコードでももちろんOK!
代理コードV7に進まず直接主和音に進む進行もあります。
IIm7 on Vから直接Iに進行することもあるということです。
Dm7 on G→Cという進行ですね。
知らない人はここで覚えておきましょう。
Cの第二転回形からG7に進行するパターンもありますよ。
これはあまり知られていないコード進行だと思います。
Iの第二転回形はトニックではなくドミナントなのです。
コードの構成を確認しましょう。
C on GとGsus4の構成は似ていますよね。
ベース音が属音になっているのもポイントです。
それでは聴いてみましょう。
次に紹介するのはIIm7→Ⅴ7→Ⅴ7 on I→ Iです。
Dm7→G7→G7 on C→Cという進行になります。
これもあまり知られていないコードだと思います。
メロディーが直接主音に進まないときに使えます。
普通に Iで終わらせても問題はありませんが
こちらの進行も覚えておくといいでしょう。
Ⅴ7 on I→ Iの進行についてですがベース音だけが先に主音に行って、
それ以外の音が遅れて主和音であるIに進行するというと分かりやすいでしょうか?
アーメン終止とサブドミナントマイナー終止
アーメン終止とはIV→Iという進行です。
Key in CならばF→Cになります。
讃美歌で使われることからこの名称がつけられています。
今回私が用意した音源は讃美歌っぽい雰囲気になっていてその印象が残ってしまうかもしれませんが
ポピュラー音楽でも使えますので試してみてください。
サブドミナントマイナー終止はIVm→Iという進行です。
Fm→CまたはFm on C→Cというコード進行になります。
サブドミナントマイナーコードは曲の終止だけでなく
様々なコード進行パターンに取り入れることが出来るので必ず覚えましょう。
続いては裏コードを使った曲の終止です。
裏コードもトライアドとセブンスのどちらも使えます。
使い方に決まりはありませんがトライアドならば
トップノートを半音の動きにするのがオススメです。
ロックで使えるエンディングコード進行
次はロック調の曲で使えるエンディングのコード進行を紹介します。
IV→I on III→IIm→V→Iというコード進行で
キメフレーズを使いながら曲を締めくくった例です。
Key in CならばF– ConE – Dm - G7 – Cという進行になります。
キメフレーズとは、ほとんどまたは全てのパートを同時のリズムで演奏することです。
続いてはIm→♭ⅤII→♭VI→Ⅴというコード進行は
循環コードになっていてずっと繰り返すことが出来ます。
Key in EmだとEm→D→C→Bという進行になります。
下の曲はこのコード進行を繰り返し、最後はImで終えるパターンです。
次は♭VI→♭ⅤII→Iの進行です。
同主短調のコードを借用しています。
モーダルインターチェンジのことですね。
転調の要素が絡んでいるのでなかなかカッコいいですよ。
下の曲はⅤ→I→♭VI→♭ⅤII→Iという進行になっています。
次はIVM7→Ⅴ7→♭VI→♭ⅤIIの進行です。
Key in CならばF→G→Ab→Bb→Cという進行です。
先ほどの進行と似ていますね。
VIm→IV→I系のエンディングコード進行
VI m→IV→Iという進行もエンディングで使われます。
やや知名度が低いコード進行でしょうか。
このコード進行を知っていたとしても
曲の最後に使うことは少ないと思います。
同主短調からの借用和音も使えますので
♭VIやIVmというコードも使えますよ。
今回はストリングスで音源を作りました。
3パターン連続で聴いてみましょう。
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