ダイアトニックコードを覚えると作曲が出来るようになります。
しかし、コード進行パターンをたくさん覚えないと、なかなか思い通りの曲は作れないでしょう。
自分で試行錯誤を繰り返しコード進行パターンを増やしていくことも大切ですが、
JPOPでよく使われる進行から覚えていくほうが効率よく覚えられます。
今回は数多くあるコード進行パターンの中から『王道進行』について解説していきます。
王道進行とは何か?
王道進行とは特にJPOPで多く使われるコード進行のことです。
なぜ王道進行と呼ばれるようになったかは分かりませんが、よく使われることは間違いないでしょう。
ディグリーであらわすとIVM7→Ⅴ7→IIIm7→VI m7という進行で、
Key in CならばFM7→G7→Em7→Am7という進行になります。
4→5→3→6という流れですので「ヨンゴーサンロク」と覚えましょう。
王道進行は確かによく使われる進行ですが、これだけ覚えても曲を作れるようにはなりません。
4つのコードを覚えただけでは不十分で、その後に続くコードも合わせて覚えておくといいでしょう。
その後に自分で試行錯誤を繰り返し、コード進行パターンを増やしていくのがおススメです。
王道進行をさっそく聴いてみよう
王道進行はトライアドでもセブンスコードでも使われることがあります。
いくつか注意するべき点はありますが、とりあえず一回聴いてみましょう。
コード進行する際には共通音の存在が大切です。
そのコードと次のコードに共通音がある場合には、保留する場合と保留させない場合があります。
G→Emの場合はシの音が共通してますよね。先ほどのトライアドの王道進行に関しては、
Ⅴ→IIImで共通音がありましたが、保留せずに進行しました。
保留した場合としなかった場合の響きの違いを確認しておくといいでしょう。
セブンスコードの方は共通音を保留して進行させてます。
共通音を保留せずに進行すると伴奏が慌ただしくなり、歌を邪魔してしまう可能性があります。
とはいえ保留せずに進行することも珍しくありません。
どちらが正しいというわけではなく、その都度、自分が求めている響きになるように考えるのです。
セブンスコードで王道進行を使用する
コード進行ではトライアドの中にセブンスコードを、
あるいは反対にセブンスコードの中にトライアドを入れたりすることがあります。
このあたりは自由に作って全く問題ありません。
ここで覚えて欲しいのはセブンスコードの7度の音の特性です。
あまり理論書で解説されていませんが、7度の音は2度下行したがる特性があるのです。
これは絶対に守らなければいけない規則ではありません。
ポピュラー音楽のコード理論では和声学のような規則はありませんので参考程度に考えてください。
自然な響きを求めるならその特性を生かしてみましょう。
IVM7→Ⅴ7→IIIm7→VI m7→IIm7→Ⅴ7→IM7→IVM7では
全て第7音が2度下行している点に注目してください。非常に自然な響きになります。
それではセブンスコードを使ったコード進行を簡易編曲付きで紹介します。
コード進行はIVM7→Ⅴ7→IIIm7→VIm7→IIm7→Ⅴ7→IM7→Ⅴ7になっています。
テンポはBPM60と少しゆったりとしています。
王道進行にセカンダリードミナントを加える
王道進行をそのまま使うのもいいですが、一部を別のコードに変えても全く問題ありません。
コード進行は単に丸暗記するのではなく、そこから派生した進行も合わせて覚えましょう。
王道進行にセカンダリードミナントを入れたパターンを紹介します。
セカンダリードミナントを王道進行の中に加えることが出来るのです。
2パターンのコード進行を作りましたので聴いてみましょう。
一つ目は IVM7→Ⅴ7→IIIm7→VI7 です。Key in CならばFM7→G7→Em7→A7という進行です。
この後はIIm7またはIImに進むのが無難でしょう。
二つ目はIVM7→Ⅴ7→III7→VIm7 です。Key in CならばFM7→G7→E7→Amという進行です。
セカンダリードミナントをツーファイブに分けることも出来ますので、いろいろ試してみるといいでしょう。
セカンダリードミナントについて詳しく学びたい方は、以下の記事を参考にしてください。
IVM7 代わりに IIm7 を入れることが出来ます。
IIm7→Ⅴ7→ IIIm7→VIm7という進行になり、
Key in CならばDm7→G7→Em7→Am7という進行になります。
IIm7ではなくIIm9を使うことも出来ます。
Dm9→G7→Em7→Am7という進行もあるのです。
Dm9というコードを鍵盤で考えて見ましょう。
左手はルート音であるレを押さえて、右手のコードからはルート音を省略します。
すると右手で鳴らすコードはFM7になるのです。
こういうテンションノートを使った進行も、少しずつ覚えていくといいと思います。
最後のひとこと
今回はJPOPでよく使われる王道進行を解説しました。
ただ IVM7→Ⅴ7→IIIm7→VIm7という進行を暗記するだけでなく、
そこから派生したコード進行も紹介しましたので役に立ったのではないでしょうか?
コード進行は覚えるだけでなく、実際に楽器で弾いてみて、その響きを自分の耳でよく聴くことが大切です。
そういう努力の繰り返しで、徐々にセンスが磨かれていくのです。
これからもアレンジ付きでコード進行を紹介していくので、楽しみにしていてください。
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