五度圏を使ってコード進行パターンを覚えることの4つのメリット

12の調が時計のように並べられた五度圏。
いったい何のために使うのかよく分からない、という人もいるでしょう。

近親調や遠隔調を目で見て覚えることにも使いますが、
音楽理論やコード理論を覚えるときにも、有効活用できます。

今回は、コード進行を覚えるときの五度圏の使い方を紹介します。

五度圏を覚えることで、非常に数多くのコード進行を覚えることができます。
ぜひ、最後まで読んでみてください。

五度圏でツーファイブワンが覚えられる

五度圏には2種類あります。

C→G→D→Aと時計回りに完全5度ずつ上行するパターンと、
C→F→Bb→Ebと時計回りに完全4度ずつ上行するパターンです。

今回の記事では、後者の完全4度ずつ上行するパターンを使います。
なぜなら、強進行になっているからです。

強進行とはその名の通り、進行感が強いコード進行のことで、
ツーファイブワン(IIm7→V7→I)がその典型です。

五度圏を見てください。
D→G→Cの流れはKey in CのIIm7→V7→I(Dm7→G7→C)ですし、
E→A→D の流れはKey in DのIIm7→V7→I(Em7→A7→D)になっています。

つまり、五度圏を丸暗記すれば全ての調のIIm7→V7→Iを
誰でも簡単に覚えることができるのです。

五度圏で短調のツーファイブワンも覚えられる

五度圏でツーファイブワンが覚えられますが、
それは長調だけでなく、短調のツーファイブワンも覚えられます。

先ほど紹介したD→G→Cの流れは、Key in Cmの
IIm7b5→V7→Imの進行になっています。

ということは、五度圏を覚えれば全ての短調のツーファイブワンも
完璧に覚えることができるのです。

そして、それが次章で解説するセカンダリードミナントにつながります。

五度圏でセカンダリードミナントが覚えられる

セカンダリードミナントとはいったいどのような理論なのでしょうか?

例えば、C→Em7→Am→G7というコード進行があった場合、
Em7をE7に変えてC→E7→Am→G7というコード進行にすることができます。

この時のE7→Amという進行がKey in Amから見た場合、
V7→Imというドミナントモーションになっているのです。
E7のところだけ一時的に転調しているので、少し雰囲気が変わります。

セカンダリードミナントについて詳しく知りたい方は、
以下のリンクをクリックして読んでみてください。

あわせて読みたい
セカンダリードミナントを覚えコード進行の色彩感を豊かにしよう

もう一度五度圏を見てみましょう。

ある音を基準として考えてみた場合、その音の左側がドミナント(属音)で、
右側がサブドミナント(下属音)になっています。
Cを基準とした場合、左のGが属音で、右のFが下属音になっています。

これをコードで解説すると、左側のG(またはG7)がドミナント(属和音)で、
右側がF(またはFM7)がサブドミナント(下属和音)になっています。

セカンダリードミナントはある和音を主和音としてみて、その前にV7コードを入れて、
ドミナントモーションを作り上げるのです。
ですから、セカンダリードミナントを探すときには、
五度圏を見て、そのコード(主和音)の左の音を
見ればいいということになります。

Fというコードにセカンダリードミナントを使うときにはC7を、
Emというコードにセカンダリードミナントを使うときにはB7を使うのです。

セカンダリードミナントはツーファイブに分けることができますので、
そのコード進行も合わせて覚えることができます。

前述のC→E7→Am→G7を使って解説します。

E7→Amという進行がKey in AmのV7→Imというコード進行になっていますので、
その前にKey in AmのIIm7b5(またはIIm7)を使うことができます。

Key in AmのIIm7b5はBm7b5なので、
C→Bm7b5→E7→Am→G7というコード進行ができます。

このセカンダリードミナントをツーファイブに分けたコード進行も、
五度圏の中に含まれていることに気が付いたでしょうか?

Bm7b5→E7→Amというコード進行は、B→E→Aという流れです。
五度圏を見ればB→E→Aがありますよね?

長調でも、短調でもツーファイブワンは強進行ですので、
五度圏を覚えれば、セカンダリードミナントをツーファイブに分けた
コード進行も覚えることができるのです。

五度圏で裏コードが覚えられる

裏コードとは♭II7のことです。
主にIIm7 →♭II7→IM7というコード進行で使われます。

Key in Cならば、Dm7→Db7→CM7というコード進行になります。

IIm7→V7→IのV7の代わりに使われるので、
V7と裏コード(♭II7)は代理関係にあるといわれています。
シ(ドb)とファの同じトライトーンを含んでいるからです。

私はこの見解には異論があります。

ただし、この問題は別の記事で記してありますので、今回の記事では触れません。
興味がある方は、以下のリンク先の記事を読んでみてください。

あわせて読みたい
裏コードはドミナントセブンスコードの代理コードにはなりえない

 

裏コードを探すときにも五度圏を使うと便利です。
G7の裏コードを探すときには、五度圏の対極の音を見ればいいのです。
Gの対極の音はDbになっていますよね。このようにして探すのが便利です。

Ab7の裏コードはE7ですし、B7の裏コードはF7です。
増4度(減5度)の関係にある音ということです。

増4度というのは、ドミナントセブンスコードのトライトーンで出てくる言葉ですよね。
V7の不安定な響きを生み出しているのがトライトーンで、
G7ならば、B( シ)とF(ファ)がトライトーンになっています。

つまり、裏コードとトライトーンは密接な関係になっているのです。

B7とF7は裏コードの関係になっています。
そして、この2つには同じトライトーンを含んでいます。


Eb (D#)とAの2音です。
ということはEb7とA7も裏コードの関係になっているのです。

裏コードを覚えるの時にも、五度圏が役に立つことが分かっていただけたと思います。


五度圏はわずか12の調しかありませんので、覚えることは難しくありません。
覚えることのメリットは大きいので、必ず習得しましょう。

五度圏を使って、もっと深く音楽理論を覚えることができます。
その内容に関しては以下のリンクをクリックして読んでみてください。

あわせて読みたい
【音楽理論の基礎】初心者でも安心!おすすめの究極の勉強法

 

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