作曲を行っている人なら誰でも印象的なメロディーを
作る秘訣を知りたいはずです。
楽をしてキャッチーなメロディーが作れれば苦労しませんが
そんな方法は残念ながら存在しません。
しかし、ちょっとしたコツをつかむとリスナーの耳に残りやすい
メロディーを作れるようになります 😛
印象的なメロディーの定義ははっきりしませんが、
「どういう音が並べられているか」
ということをほとんどの方が思い浮かべるはずです。
その考えも間違いではありませんが、それ以外にも大切な要素が
ありますので今回の記事で解説していきます。
印象的なメロディーはリズムが鍵を握っている
メロディーと聞くと何の音が鳴っているかに注目しがちですが
もうひとつ大切な要素があります。
それが『リズム』です。
同じリズムで構成されたメロディーは印象的で
リスナーの耳に残りやすい特徴があるのです。
『同型フレーズ』という言葉はおそらく私の同語だと思います。
同じリズムで作られたメロディーというのは耳に残りやすいのです。
私が作った簡単な曲で同型フレーズについての解説をします。
まずは下の譜面を見てください。
このフレーズは音程は違いますがリズムが同じになっていますよね。
同型フレーズは2~4回ほど繰り返されることが多く、
次の展開につなげるために後半部分を変化させることも多いです。
同型フレーズを使うと、聴衆はその曲を覚えやすくなったり歌いやすくなったりします。
具体的な曲を挙げて解説します。
クラシック音楽ならベートーベンの『運命』が分かりやすいでしょう。
運命の「ジャジャジャジャーン!!」というメロディーは、メロディーが美しいというよりも
あのリズムがとても印象的だと思いませんか?
一度聴いたら忘れられない大きなパワーを秘めています。
曲の中でも、あのリズムが至るところに散りばめられていて
それが楽曲のクオリティを著しく上げていると思います。
ラップでは『韻を踏む』ことが非常に多いですよね。
あれは歌詞とリズムがマッチして耳に残る音楽になっていると思います。
JPOPでもメロディーのリズムを意識したヒット曲はたくさんあります。
TRF『survival dAnce』
TRFの『survival dAnce』のサビでは、リズムだけではなく音程も同じです。
つまり同じフレーズを繰り返しているのです。
(後半部分は変化が付けられています。)
ダンスミュージックの場合はこういうメロディーのほうが
ノリやすくなるのです。
華原朋美の『Hate tell a lie』のサビでも、よく聴いてみると
同型フレーズが複数使われているのが分かります。
どちらも小室哲哉さんが作った曲ですね。さすがです。
歌だけではなくイントロのフレーズなどでも
同型フレーズが使われることがあります。
鬼束ちひろ『infection』
鬼束ちひろの『infection』ではピアノのフレーズで
同型フレーズが使われています。
旋律も美しいと思いますし、同型のフレーズが続くので
相乗効果で印象度が高まるのです。
Mr.Childrenの『innocent world』ではエレキギターで
同型フレーズが使われています。
全く同じフレーズが続くのではなく、一部変化はありますが
同型フレーズがとても有効なテクニックなのです。
いずれも印象に残るフレーズになっています。
作曲家、編曲家を目指すのであれば
共に必ず覚えておきたいテクニックです。
印象的なメロディーが進む方向と幅
メロディーには順次進行、同度進行、跳躍進行があります。
曲を作るときにこのようなことを考えることはありませんが、
一応覚えておくといいでしょう。
これら3つの進行はどれもよく使います。
跳躍進行についてですが、1オクターブの跳躍を限度にしたほうがいいでしょう。
それ以上の跳躍は歌いづらくなります。
また増1度(半音)を除く増音程もあまりいい響きがしないので避けるのがいいでしょう。
Bメロ終わりとサビの始めの関係性
サビはその曲の一番良い部分です。
サビを盛り上げるためにメロディーを印象的なものにするのは
当然のことですが、それだけでは不十分です。
サビの前に出てくるBメロの作り方にも気を使う必要があります。
特にBメロ終わりとサビの頭のメロディーのリズムに注視してください。
Bメロの終わりのメロディーが長い音符だった場合は、
サビの頭は短い音符でメロディを作ったほうがいいでしょう。
その反対にどちらも短い音符で詰め込めたメロディーの場合は
うるさく感じる場合があるので注意してください。
両方とも詰め込み式だと息苦しい印象を与える恐れがあります。
また、ボーカルも息継ぎが出来ずに苦しい思いをすることになります。
両方とも長い音符だと間延びして、だらしない印象を与える恐れがあります。
最後のひとこと
ポピュラー音楽ではキャッチーなメロディーが
求められることが多いです。
CMでは十数秒しか曲が流れないので
短い時間でも耳に残るメロディーが好まれます。
そのためには今回解説したようにリズムに
もっと気を使って作曲するのがいいでしょう。
楽器を使ったり鼻歌で作曲するときにも
リズムのことを意識してください。
分かりづらければ、楽譜に記して目で確認するのがいいでしょう。
ただひたすら名曲を作ろうとしても上手くいかないことが多いです。
少しコツをつかむと今までよりはるかに優れたメロディーを
作れるようになりますよ。
ぜひ、試してみてください。
▶今まで投稿したメロディー&コード進行の記事はこちらから読めます。
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