サビから始まる曲の作り方のコツは楽曲の構成を知ること

JPOPの曲の構成というのはいくつか種類がありますが、
冒頭に関しては数は限られています。

イントロ→A→B→サビと進行するか
サビ→A→B→サビと進行するかの2パターンです。

大きく分けると2パターンなのですが、その後の展開を
見てみると意外と複雑な構成になっているのです。

特にサビから始まる曲は2回目のサビの後のフレーズや
アウトロで工夫されていることが多いのです。
※サビから始まる曲のことを「サビ頭の曲」と呼ぶこともあります。

そこで今回は

『サビから始まる曲の作り方のコツ』

について解説していきます。

【コード進行のまとめ】初心者が覚えるべき8つのパターンを紹介!!

サビから始まる曲の構成を覚える

イントロ→A→B→サビという、ごく普通に進行する曲であっても
イントロと同じフレーズが最初のサビが終わった後やアウトロにでてくることがあります。

ひとつの楽曲の中で同じフレーズが使われることは少なくありません。

それではサビから始まる曲ではどうなっているのでしょうか?

実はサビから始まる曲は通常の構成の曲と比較して
この辺りの構成は複雑で、様々なパターンがあるのです。

まずは、サビから始まる曲の構成を下の図で確認しましょう。
いくつかポイントがあるので順に解説します。

(イントロ)→サビ1→間奏1→Aメロ1→Bメロ1→サビ2→間奏2(間奏1同 or イントロ同)→
Aメロ2→Bメロ2→サビ3→間奏3→(Dメロ)→落ちサビ→サビ4→アウトロ(イントロ同)

間奏3の後には以下のような進行は考えられます。

間奏3→Bメロ4→サビ4→アウトロ(イントロ同)

まず2回目の間奏とアウトロで『イントロ同』という言葉が出てきます。
これは私の造語で、イントロと同じフレーズがそこで使われるということです。
『間奏1同』も同様の意味があります。

この構成を見て分かるように1、2、3回目のサビの後のフレーズと
アウトロには様々なパターンがあり、これがこの構成の鍵を握っています。

例えば2回目のサビの後のフレーズでは一回目の間奏と同じフレーズが
使われることもあれば、まったく独立したフレーズが使われることもあります。

3回目の間奏は通常の構成と同じく、少し長めの間奏になっていて
ギターソロなどが演奏されることがあります。

最後のアウトロでもイントロと同じフレーズが使われたり
これまで出てこなかった独立したフレーズが使われることがあります。

この間奏の作り方、というより今まで出てきたフレーズを使うのか
新たにフレーズを作るかというのが悩ましいところです。

明快な答えはありませんので自分で考える必要があります。
後でプロが作った曲を挙げながら解説しますので参考にしてください。

もうひとつ注目すべき点があります。

サビから始まる曲の中で、最初のサビの前にイントロが
出てくる曲と出てこない曲があります。

曲の冒頭が『イントロ→サビ→A』なのか『サビ→A』なのか

どちらにも良さがありますのでここから具体例を出していきましょう。

イントロの作り方の3つのコツ!最初に出てくるという考えを捨てる

サビから始まる曲のイントロの有無

イントロがない曲にはGLAYの「口唇」があります。
この曲はやや唐突感があり、個人的にはあまりいいアレンジだと思いません。

GLAY『口唇

意外性があると言えばよく聞こえますが
ただ単純に唐突に始まり戸惑ってしまう印象があります。

あなたがこの構成を使う場合は慎重に判断しましょう。

宇多田ヒカルFlavor Of Life -Ballad Version-

同じようにイントロがない、サビから始まる曲として
宇多田ヒカルの「Flavor Of Life -Ballad Version-」 があります。

この曲はアウフタクトになっていて、曲の初めがブレイクと同じように
ボーカルだけが際立つように工夫されているのです。

これは上手なアレンジだと思います。

これも唐突感があるかもしれませんがいい効果を与えていると思います。

少し変化したアレンジには最初のサビをゆったりとしたテンポで
バラード風にするというものがあります。

L'Arc〜en〜Cielの「winter fall」や矢井田瞳の「B'coz I Love You」では
そのアレンジが使われています。

アレンジが抑えられていて、ゆったりとした始まり方です。
これもなかなかいい始まり方だと思います。

サビから始まる曲の中でイントロがある曲としては
AKB48の「ヘビーローテーション」があります。

AKB48『ヘビーローテーション』

比較的短いフレーズですが、サビから始まる曲であっても
イントロがあったほうが自然に曲に入れるような気がします。

その他には水樹奈々の「DISCOTHEQUE」や
洋楽では
ABBAの「Dancing Queenがあります。

昔、世界中で大ヒットした曲ですから聴いておくといいでしょう。

Perfume『チョコレイト・ディスコ』

Perfumeの『チョコレイト・ディスコ』の場合は
最初のサビを盛り上げすぎないような少し抑えめのアレンジになっています。

先ほども、バラード風のアレンジにしている曲を挙げましたが
サビから始まる曲だからといって最初から盛り上げないといけないと
いうわけではありません。

少し抑え目にして、次のサビでテンションを最高に持っていくことも多いです。

サビから始まる曲は他にもたくさんあります。

TRFの「BOY MEETS GIRL」や今まで扱ってこなかったジャンルからは
SOUL'd OUTの「To All Tha Dreamersがあります。

たくさんあるので自分で調べてみてください。

サビから始まる曲の間奏は複雑

前述の通り、サビ頭の曲のイントロや間奏の構成は様々あって複雑です。

イントロと間奏1が同じフレーズが使われることは少ないと思いますし、
間奏2では、イントロ又は間奏1と同じフレーズになっていることもあります。

またアウトロも様々あってそれまでに出てきたフレーズを
繰り返すこともあれば全く新しいフレーズが出てくることもあります。

先ほど名前を挙げた曲でいくつか紹介しますので
それらを参考にして自分の曲に生かしていきましょう。

まずAKB48の「ヘビーローテーション」ですが、
間奏131回しか出てこない独立したフレーズになっています。

それに対してイントロと間奏2とアウトロは同じフレーズが使われています。
不自然な点はなく、全体的によくまとまった構成と言えるでしょう。

続いては水樹奈々の「DISCOTHEQUE」です。

この曲ではイントロ、間奏1、間奏2、間奏3、
そしてアウトロでそれぞれ全く別のフレーズが使われています。

間奏3にイントロのコーラスのフレーズが少し使われていますが
効果的に使われているので不自然さは全くなく、良い効果を与えています。

1つ1つのフレーズがよくできていて、
常に新鮮なメロディーが聴けるというメリットがあります。

TRFの『BOY MEETS GIRL』

最後にTRFの『BOY MEETS GIRL』の解説です。

この曲はイントロ、間奏1、間奏2、間奏3、アウトロで
多少の変化はありますがほとんど同じフレーズが使われています。

しかもDメロもないですし、転調も落ちサビもありません。

そこまで単純さや不自然さは感じませんし良曲だと思いますが、
どこかで変化を与えたほうが良かったのではないかと思います。

プロが作った曲とはいっても全てが完璧な作品というわけではありません。
作りが甘い点や短所もあるのです。

できるだけ多くの曲を分析して悪いところを見つけたら反面教師にして、
良いところを発見したらどんどん吸収して力を付けていきましょう。

最後のひとこと

今回はサビから始まる曲の構成について解説しました。

新たな発見がありましたか?

あったらそれを自分の曲に生かしていきましょう。

今回解説した曲を一通り聴いて研究することをおススメしますし、
自分でもサビから始まる曲を探して、構成を学んでください。

編曲の力を伸ばすコツとして、人から教わるだけでなく
自分で調べて発見することが大切です。

その継続した努力があなたの力になるのです。
がんばりましょう。

▶今までに投稿した『JPOP編曲講座』の記事はこちらから読めます。

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