今回はコード進行の技法のひとつである
『クリシェ』と『ペダルポイント』
について解説していきます。
この2つを覚えることで、短調なコード進行の質を高め、曲を輝かせることが出来ます。
この記事を読んで学び、必ず習得しましょう。
クリシェを使ったコード進行
クリシェはそのコードのコードトーン(構成音)が
全音または半音が進行していき独特の響きになるのです。
C→C7→F→Fmという進行ではコードトーンの一部が
クリシェになって半音の流れが生じるのです。
具体的にはド→シb→ラ→ラbという流れになります。
上手に扱うと非常に綺麗なサウンドが生まれるので
クリシェを習得すると音楽性の幅が一段と広がります。
普通のダイアトニックコードをつなげるだけのコード進行では
味わえない魅力がありますのでこの記事で習得しましょう。
まずは一回クリシェがどういう響きなのか聴いてみましょう。
C→C7→F→Fmというコード進行が分かりやすいと思います。
I→I7→IV→IVmという進行ですね。
I7→IVはセカンダリドミナントになっていて
IVmはサブドミナントマイナーコードです。
トップノートがド→シb→ラ→ラbという流れになっています。
これがクリシェの魅力と言ってもいいでしょう。
クリシェを使うならトップノートかベース音(最低音)がオススメです。
なぜならこの2つの音が目立つからです。
※トップノートとはコードの中で一番高い音のことです。
カノン進行でクリシェの理解度を深めよう
クリシェが使われているコード進行でもっとも有名なのがカノン進行です。
本来カノンとは対位法の一種で同じメロディが
繰り返し奏でられる技法のことをいいます。
ポピュラー音楽の世界ではパッフェルベルのカノンで
使われている和声の進行がよく使われていて、
その進行が「カノン進行」と呼ばれているのです。
下の譜面のカノン進行ではベースラインがクリシェになっています。
クリシェの独特の響きをよく聴いて感じてください。
よくみたら他の声部も下行していますね。
ベースだけがクリシェとは言えませんが、クリシェがどういう響きかは
少しは理解できたと思います。
カノン進行はクリシェを使わないといけないということではありません。
ベースがコードのルートを弾くパターンも非常によく使われます。
クリシェを使ったその他のフレーズ
次のフレーズは短い音符を使ったクリシェのフレーズです。
トップノートが下行していき、下がり切ったら上行するのです。
バンド形式でも一つ例を出しておきましょう。
ギターのトップノートと最低音、そしてベースがクリシェで下行しています。
一部のパートだけクリシェでもいいですし、複数のパートでクリシェにしてもいいです。
ペダルポイントとは何か?
クリシェと似たような技法にペダルポイント(保続音)があります。
コードが変わってもコードトーンが進行せずに、
保留したまま同じ音を奏で続ける技法をペダルポイントといいます。
ペダルポイントにはベースペダルとソプラノペダルの2種類があります。
トップノートが保留する場合はソプラノペダルといい、
ベース音が保留する場合はベースペダルといいます。
まずはベースペダルから紹介しましょう。
コード進行のコツとしてはベースペダル以外のコードは
カデンツにのっとり進行させることです。
トニックからサブドミナント。
サブドミナントからドミナント。
ドミナントからトニックのように進行させて問題ありません。
ソプラノペダルの特性を理解しよう
次にソプラノペダルを紹介します。
ソプラノペダルはストリングスで使われることが多いと思います。
テンションノートを活用すると上手く作れるでしょう。
下の譜面ではストリングスが常に『ソ』の音が鳴っています。
これがソプラノペダルです。
気を付ける点としては音が濁ってはいけないので
そのコードに対してどういう音なのかを考える必要があります。
コードトーンならば当然問題ありません。
アボイドノートだと濁りますので認められているテンションノートを
しっかり確認して使用しましょう。
上の譜面と音源に関して捕捉します。
ストリングスの『ソ』の音はコードに対して以下のような存在になっています。
・FM7の9th
・G7のルート
・Em7のm3
・Am7のm7
このように考えながらソプラノペダルを使うようにしてください。
最後にベースペダルとクリシェの組み合わせフレーズを紹介します。
ホラー映画に使えそうな曲です。
4声のうち3声がペダルポイントで保留し、
トップノートだけがクリシェで動きが付けられています。
このような技法も様々なジャンルで使えると思いますので
習得しておくといいでしょう。
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