『ハ長調のコード進行しか分からない』から今すぐ抜け出す方法

「コード進行の勉強をしたけれどハ長調のコード進行しか分からない」
このような悩みを抱えた方がたくさんいらっしゃると思います。

今回はそういう悩みを抱えた方のために、
全ての調のよく使われるコードを
完璧に覚える学習法
を紹介したいと思います。

よく使われるコードとはメジャーコード、マイナーコード、メジャーセブンスコード、
ドミナントセブンスコード、マイナーセブンスコード
の5つです。

私の講座ではこの5つを基本コードと定義して解説していきます。

初心者でもハ長調以外のコード進行を理解する必要がある

市販されているほぼ全ての理論書ではコード進行をハ長調(Key in C)で解説されています。
確かにフラットやシャープが 1つも付かないので初心者の方にも分かりやすいと思います。

しかし、実際に楽器の演奏や作曲など音楽活動を行っていくと
様々な調の知識が必要になることを痛感すると思います。

私も作曲を専門に行っているのですが、
思いついた曲が
他の調だったときに苦労した記憶があります。

多くの経験を積むことで他の調のコード進行に対する理解が深まってくるのですが、
もっと効率よく覚えることが出来ないかと考え、
初心者でも簡単に学習できる方法を思いつきました。

「初心者が全ての調のコードを覚えるなんて無理では?」

そういう疑念を持たれている人もいるかもしれません。でも安心してください。

コード理論はある法則さえ覚えてしまうと、
丸暗記などしなくても
誰でも完璧に覚えることが出来るのです。

※ポピュラー音楽理論は調に関しては日本語が使われることは少なく英語表記が一般的です。
この講座でもハ長調のことを Key in Cと表記します。

あわせて読みたい
【コード進行のまとめ】初心者が覚えるべき8つのパターンを紹介!!

 

まずはハ長調コードの構成を理解する

コードとはどのように構成されているのでしょうか?

まずは3つの音で作られたトライアドから見ていきましょう。
※便宜上、C音をルートにして解説していきます。

 

上の譜面はメジャーコードとマイナーコードの構成を表したものです。

Rは根音のことでルートと読みます。そのコードの基となる音と覚えてください。
M3は長3度、P5は完全5度のことで、Rとのインターバルを表しています。

ドミソで構成されたCの場合は
ドとミがM3(長3度)の関係になっていて
ドとソがP5(完全5度)の関係になっているということです。

インターバルは英語と日本語の両方を覚えてください。

インターバル(音程)のことをまだ学んだことがない人でも理解できますので、気にせず読み進めてください。

コードの構成は声に出して覚えることが大切です。
『メジャーコードはルート、メジャーサード、パーフェクトフィフス
『マイナーコードはルート、マイナーサード、パーフェクトフィフス
と覚えるまで言い続けましょう。

メジャーコードとマイナーコードではRとP5が共通していて違いは3度のみです。
3度だけが半音(増1度)の違いがあるのです。
いかに3度の音が重要かが分かります。

セブンスコードの違いもたった1音のみ

続いて4つの音で作られたセブンスコードの解説を行います。

上記の通りRとP5は共通しています。

ドミナントセブンスコードのコードトーン(構成音)の読み方は
ルート、メジャーサード、パーフェクトフィフス、マイナーセブンスです

メジャーコードとドミナントセブンスコードとの違いは7度のみ、
ドミナントセブンスコードとマイナーセブンスコードとの違いは3度のみです。
いずれも半音の違いです。

まずはこの相違音を確実に覚えてください。
たったこれだけのことを覚えるだけで全ての調の基本コードを覚えることが出来るのです。

ハ長調以外の調のコードを覚えるときが来た!

 

さあ、それではここからあらゆる基本コードを覚えていきましょう。
まずはKey in Cのダイアトニックコードを確認しましょう。

Key in Cのダイアトニックコードはフラットやシャープが付かず
ピアノなら全て白い鍵盤だけで構成されています。

このKey in Cのダイアトニックコードを基準として
先ほどの法則を使っていくと簡単に覚えられます。

CM7は先ほど解説したので、G7で解説しましょう。

G7はドミナントセブンスコードなので、このコードを基準として

7度の音のファを半音高めるとGM7になり、
3度の音のシを半音低めるとGm7になります。

 

簡単ですよね。

続いてはDm7を基準としながらDbm7の構成を導き出しましょう。

今度は同じマイナーセブンスコードなので、どちらのコードも

『R – m3 – P5 – m7』という構成になっています。

ですのでDm7のコードトーンであるレファラドの全てを半音下げるのです。

正確には半音というより増1度下げるという表現が正しいです。

なぜならレの半音下の音というのはレ♭とド♯の2種類あるので混乱を招いてしまうからです。
レの増1度下の音がレ♭で、レの短2度下の音がド♯になります。

ここで終わりにせずDbm7を基準としながらDb7とDbM7の構成を覚えましょう。

ここまでのことをしっかり理解していれば容易に導き出せるでしょう。

コード理論の勉強を進めたら、今度は実践してみましょう。
他の調のコード進行を楽器で弾く練習をするのです。

あわせて読みたい
今までに投稿したコード進行の記事はこちらから読めます。

 

最後のひとこと

いかがでしたか?全ての調の基本コードを覚えることは
さほど難しくないということは分かっていただけたと思います。

ここで紹介したのは一部のコードです。

Key in Cの他のダイアトニックコードを基準としながら残りのコードも覚えましょう。

具体的にはFM7、Em7、Am7から他のコードを覚えてください。
※Bm7b5は例外なので別の記事で解説します。
ハーフディミニッシュコードの意外な使い方【作曲&コード進行】

コードの構成を覚えるだけでなく、必ずそのコードを楽器で鳴らして音の響きを耳で確認しましょう。

音楽は知識を蓄えるだけでは全く意味がありません。

実際に音を鳴らし、耳で聞き、体で感じていくことで大きな力になり、
あなたの音楽活動の発展につながっていくのです。

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