作曲をするにしても楽器を演奏するにしても初心者の方が、
最初に学ぶ音楽理論はコード進行ではないかと思います。
コード進行を覚えてピアノやギターで弾くだけでも楽しいですし、
それに鼻歌でもつければすぐに作曲も出来てしまいます。
巷のコード理論講座では王道進行や小室進行、カノン進行といった
具体的なコード進行の解説が非常に多いです。
それも悪くはありませんが、初心者の方はそれよりももっと
抽象的なコード理論を最初に学んだほうがいいと思います。
前述のコード進行は4つ以上のコードの流れをまとめて覚えるのですが、
それだけで曲が作れるようになるわけではありません。
ですから1個1個のコードの特性と進行できるコードを先に覚えるのが圧倒的におススメです。
今回の記事では実際に音を聴きながらコード理論を学べますので、
初心者の方にも分かりやすい内容になっています。
ダイアトニックコードの基礎を学ぼう
3つの音で構成されたコードをトライアドと呼ばれていて、
日本語では三和音といいます。
対して4つの音で構成されたコードをセブンス・コード(テトラッド)と呼ばれていて、
日本語では四和音といいます。
楽譜を見てみましょう。
I→VIm→IIm7→Ⅴ7のような記号を「ディグリー」と呼びます。
例えばI→VIm→IIm7→Ⅴ7という進行あった場合、
それをKey in Cに当てはめてみるとC→Am→Dm7→G7という進行になるということです。
C→Am→Dm7→G7といったコードネームだけで覚えてしまうと、
Key in C(ハ長調)の曲ならば対応できますが、
それ以外の調になるとコードのことがさっぱり分からないということになりかねません。
ですから、コード理論を学ぶときにはディグリーで学ぶのが必須といえます。
私のブログではKey in Cを中心に解説しながらディグリーでも解説していますので安心してください。
短調のダイアトニックコードも見ておきましょう。
短調には3つのスケールがあり、それぞれに基づくダイアトニックコードが
あるので難しく感じると思います。
しかし、実際に良く使われるのは上の譜面のコードと
ドミナントセブンスコードくらいなので、まずはそれだけを覚えれば十分でしょう。
ダイアトニックコードの機能を覚えよう
コードの機能には以下の3種類があります。
・トニックは安定した響き
・ドミナントは不安定な響き
・サブドミナントはどちらでもない響き
実際にはトニックの中でも安定した響きがするコードと、
より安定した響きがするコードがあったりするのでそんなに単純ではありません。
同じコードでもトップノートによって安定感が変わることもあります。
これらのコード進行の型をカデンツといいます。
カデンツを組み合わせてコード進行を作っていきます。
この記事でのコード理論は主に長調で解説します。
・トニックはIM7とVIm7とIIIm7
・サブドミナントはIVM7とIIm7
・ドミナントのグループはⅤ7
ⅤIIm7♭5はあまり使われないコードですので、とりあえず気にしなくていいです。
便宜上セブンスコードを中心に解説していますが、トライアドでも機能は変わりません。
さて、次はカデンツの組み合わせを紹介します。
・トニックからはトニックとサブドミナントとドミナントの全てへ進行できます。
・ドミナントは基本はトニックへ進行しますが、サブドミナントへ進行することもあります。
・サブドミナントはサブドミナントとトニックとドミナントの全てへ進行できます。
こう見ると結局どういう進行も可能であるということが分かります。
しかし、その中でも進行感が強いものと弱いものがあります。
トニックからトニックのように同じ機能同士の連結もあり、
その中でも進行感が強いものと弱いものがあります。
初心者に対して「自由にコード進行を作ってください」といってもなかなかうまく作れないでしょう。
ということで、ここではよく使われる進行とその理由を解説します。
ハーフディミニッシュコードの意外な使い方【作曲&コード進行】
強進行と順次進行をはじめに覚える
コード進行は強進行と順次進行が使われることが多いです。
強進行とはその名のとおり進行感が強く、最もよく使われるコード進行です。
IIm7 - Ⅴ7 - I(ツーファイブワン)も強進行です。
強進行は以下の図のような進行があります。
・I→VIm→IIm7→Ⅴ7→Iというコード進行は
VIm→IIm7→Ⅴ7→Iの部分が強進行になっています。
Key in CならばC→Am7→Dm7→G7→Cという進行です。
・I→VIm→IIm7→Ⅴ7は循環コードとも呼ばれています。
循環コードとはその進行を繰り返し使用することができるのです。
・I→VIm→IIm7→Ⅴ7→I→VIm→IIm7→Ⅴ7
・C→Am7→Dm7→G7→C→Am7→Dm7→G7
このように続けてコードを進行させることが出来るのです。
楽譜と音源を用意したので目と耳で学んでみましょう 😛
IIIm7→VI m7→Iim7→Ⅴ7→Iのコード進行は全てが強進行になっています。
Key in CならばEm7→Am7→Dm7→G7→CM7という進行です。
以下の譜面は後半にI→VIm→IIm7→Ⅴ7の進行を加えたものです。
順次進行とはダイアトニックコードでいうと隣のコードに進むことをいいます。
例えばIVM7→Ⅴ7とかIIIm7→IIm7のような進行です。
Key in CならばFM7→G7やEm7→Dm7といった進行です。
ダイアトニックコードの進行パターンを確認
「このコードからこのコードへは進行させるといいけど、
こっちのコードへ進行させるといまいちだな」
このような経験をされた方もいると思います。
続いては、そのコードが次にどのコードへ進行できるのかを解説していきたいと思います。
2つのコードの関係性を考えていくことで、コード進行の理解を深めることが出来るのです。
先ほど解説したカデンツにこだわるのではなく、
以下の図を見ながら実際に音を聴いて学ぶのがいいと思います。
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ディグリーで表していますので全ての調に対応しています。
赤字になっているのが強進行で非常によく使われる進行です。黒字もよく使われる進行です。
私の個人的な意見ですが、青字になっているのはあまり使われない進行です。
これらをKey in Cに当てはめてみましょう。
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私はこれまでの作曲の経験で、王道進行やカノン進行を覚えただけで
曲が作れるようにはならないということをよく知ってます。
具体的なコード進行をまとめて覚えるのもいいですが、
その前に今回の記事で基礎を身に付けておくことをおススメしています。
最後のひとこと
今回の記事に限らず多くの理論書でもコード進行の解説はKey in Cでされています。
シャープもフラットもなく、初心者にはやさしく感じると思いますが、
実際には初心者であっても様々な調のコード進行を学習する必要があります。
様々な調のコード理論を覚えたければ以下の記事を参考にして下さい。
今回の記事でコード理論の大枠を学んでいただきました。
もちろんこれだけでは不十分ですので学習を続けていく必要があります。
これからもこの講座では様々なコード進行パターンを紹介していくので、
楽しみにしていてください。
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