「短調のコード進行って難しいな」って感じることありませんか?
短調には三つのスケールがあってそれぞれのスケールに基づく
ダイアトニックコードがあるので覚える量は長調の三倍になります。
しかし、安心してください。
短調の曲で使われるコードは実際にはそれほど多くありません。
必要なコードだけを覚えれば十分なのです。
短調のコード進行はナチュラルマイナースケールに基づくダイアトニックコードと
ドミナントセブンスコードをまずしっかりと覚えましょう。
短調のコード進行は絶対にCmで学ぶべき!
多くの理論書では短調のコード理論をKey in Am(イ短調)で解説されていると思います。
たしかにKey in Cの平行調でシャープやフラットがひとつも付かないので
初心者にも分かりやすそうに感じます。
しかし、これが短調に苦手意識を持たせている最大の原因だと思います。
短調のコード進行はKey in Cの同主短調であるKey in Cmで学ぶべきです。
短調には3つのスケール(音階)がありますが
ここではナチュラルマイナースケールに基づくダイアトニックコードと
Ⅴ7に限定して教えていきます。
なぜならこれらのコードが最も多く使われるからです。
なぜ短調のコード進行はKey in Cmで学ぶのがいいのか?
それは長調でも短調でもコードの機能はほとんど変わらないからです。
つまり、
・IとVI はトニック
・IVとIIはサブドミナント
・Ⅴはドミナント
・IIIはトニックですが後続のコードがVI の場合はドミナントになります。
つまり長調で学んだコード進行をそのまま短調のコード進行に置き換えることができるのです。
よってコード進行をわざわざ覚え直す必要がないのです。
ここから長調で有名なコード進行を短調に置き換えてみましょう。
短調版カノン進行
カノン進行も短調に置き換えることが出来ます。
ベースラインをルート音のままの進行ととクリシェにした進行の2種類を用意しました。
短調版王道進行
JPOPでよく使われる王道進行も短調で使えます。
長調ではIVM7→Ⅴ7→IIIm7→VIm7という進行ですが
短調ではIVm7→Ⅴm7→bIIIM7→bVIM7という進行になります。
トライアドとセブンスコードの両方が使えます。
短調版小室進行
小室進行は長調ではVIm7→ IVM7→V7→IM7進行ですが、
短調ではbVIM7→IVm7→V7→Im7という進行になります。
ここではトライアドのコード進行を用意しました。
同主短調のコードは長調で使える
短調の学習をKey in Cmで学ぶのにはもうひとつメリットがあります。
それは長調の曲の中で同主短調のダイアトニックコードを借用することができるということです。
つまりKey in Cの曲の中でKey in Cmのダイアトニックコードを使うことが出来るのです。
サブドミナントマイナーコードであるIVmがその代表です。
同主短調のコードを使った進行を解説していきます。
文章だけの説明では分かりづらいと思いますが
後でコード進行の具体例を出しますので心配しないでください。
元の長調のダイアトニックコードを固有和音、
同主短調のダイアトニックコードのことを準固有和音と呼びます。
固有から準固有へはどのように進行してもさほど問題ありません。
双方のコードの中に増1度の関係にある音がある場合はそれらを連結させたほうがいいでしょう。
準固有から固有へは少し注意が必要です。
後続の固有がⅤ7やIの場合は問題ありませんが、
それ以外のコードは不自然な進行になる場合があるので気をつけてください。
準固有同士の連結はカデンツを意識するといいでしょう。
♭VIM7→IIm7♭5は自然な進行ですが
逆の進行であるIIm7♭5→♭VIM7はあまり自然とはいえません。
このあたりは自分で色々と試してみるといいでしょう。
代理コードの解説をします。Im7 の代理コードは♭III M7と♭VI M7です。
IVm7の代理コードはIIm7♭5です。
♭VII7の機能ははっきりしませんがサブドミナントとして扱われることが多いです。
長調では影の薄かったVII番目のコードですが、短調ではよく使われます。
いくつかコード進行を紹介しましたがこれは一部にすぎません。
自分でも色々試してみましょう。
最後のひとこと
難しそうに見える短調のコード理論ですが
Key in Cmで考えるととても学びやすいことに気が付きます。
少し考え方を変えるだけで大きく印象が変わるのです。
仮に短調の曲を作らないという人であっても
同主短調のコードを覚えるとコード進行の幅が広がりますので
しっかり学ぶことをおすすめします。
短調の曲は長調の曲では表現できない世界観があります。
ここで学んだ知識を生かしてどんどん短調の曲を作ってみましょう。
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